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Shirata's Class

文月になりました。皆さんはお元気ですか? 落ち込んだりもするけれど、私は元気です。

さて、梅雨がきてじっとりとした空気が街を覆いますと、白田ゼミ恒例の「和装縛り漠然とした宴会」 の時期となります。そこで、ゼミ生の一種の義務として、全員で「江戸東京たてもの園」 に出かけたあと、武蔵小金井の居酒屋で、OBを交えた宴席を設けました。参加してくれたOBの阿部君と朝妻君、ありがとうございました。

Shirata Seminar members この日、江戸東京たてもの園では、浴衣イベントが開催されていたはずなんですけど、園を歩いている皆さんは、あんまり浴衣姿ではありませんでした。このため、20人近くの若者たち全員が、浴衣や着物で歩いている集団はかなり目立っていたみたいです。

こうして目立ったためか、素敵な着物姿で建物を見学していた、韓国からいらした留学生の女性のグループから「一緒に記念写真を撮ってもらえませんか」と依頼されました。また、大正から昭和初期の商店建物をバシバシ写真に収めていた、アングロ・サクソン系のみなさん、およびその中の女性から写真撮影を依頼されました。このとき、サービスのつもりで、なぜか風呂屋の富士山ペンキ絵の前で、私と学生の河内君で殺陣のポーズをとるなどしました。すみません、誤った日本のイメージを外国の方に示してしまったようです。

こうして、単に歩いているだけで外国の方と関係ができてしまうという経験を通じて、国際交流の基礎は、私たちが文化的アイデンティティを遠慮なく発揮するところにあるのだと思いました。考えてみれば、外国の方がせっかく日本に観光にきて、町娘さんも、舞妓さんも、武将も、武士も、忍者もいないのでは、がっかりすることは容易に想像できるところです。そうであるなら、白田ゼミが和装で観光地をウロウロすることは、ささやかな社会貢献なんじゃないかと思ったりしています。たとえ、かなり間違っているとしても、いないよりはマシです。

来年のゼミ参加希望学生におきましては、ぜひ戦国武将と忍者をリクルートしたいと考えています。甲冑または黒装束をお持ちの学生さん、きたれ白田ゼミへ!

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* 注意 *

ここに掲載されている文書の内容は「無保証」 です。従って、ここに掲載されている文書は「見本」であると御理解ください。また、御意見・御批判は歓迎しますが、それらは必ず「完全版」について行って下さい。完全版はポストスクリプトファイルDVIファイル、またはPDFファイルで提供します。ポストスクリプトやDVIファイルが必要な方は私にお手紙ください。個別にファイルをさし上げます。

エキスパンドブックやPDF等の電子テキスト一般の読み方についての解説については、 こちらをご覧ください

latex2htmlがうまく使えなかったので、自前のコンバータを作って LaTeXの原稿からHTMLファイルを作成しています。このため、LaTeXで使用される記述法を完全にHTMLに置き代えられていないので、時々、意味不明の記号が残っていたりします。

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* 履歴書
    私の個人情報を公開できる程度に...

* 小論集
    私が過去にfj.*に向けて書いた記事の中で、エッセイとしてのまとまりがあるものを抜粋して掲載することにしました。今後、もし時間が取れれば書き下ろしも増やしていきたいと思っています。

学者が斬る (480) そろそろ日本で「正義」について考えよう, 週刊エコノミスト, No. 4136, 2010年10月19日, pp. 46--49.
    ある日、ised 倫理篇での私の発表記録を読まれた「週刊エコノミスト」の編集の方から、「この内容をアップデートした上で、6000字で書いてください」 という依頼を受けた。ありがたいことと引き受けることにした。

    ── のだけど、まず、ised 自体が5年も前の話で、私自身が忘れかけてた。次に、アップデートしようにも、まず ised での話を5000字以下に圧縮しないと新しい要素なんか入れられない。必死に短縮しようと取り組んだが、無理だとあきらめて、なんとか6000字で形をつけたという記事になってしまった。しかも、やはり字数の制限でギリギリまで表現を圧縮したので、またもやエラソーな文体に... これ、どうにかならないのかといつも嘆いています。

* [書評] 名和小太郎 著 『著作権 2.0 ── ウェブ時代の文化発展を目指して』 in 図書新聞, No. 2986, 図書新聞, 2010年10月16日, p. 3.
    ある日、図書新聞から、名和先生の『著作権 2.0』の書評を書いてほしいという依頼がきた。おりよく名和先生ご自身から贈本していただいてて、夏休みに読もうと思っていたので、二つ返事で引き受けた。ちょうど夏休みの終わりくらいに落ち着いて2回読み通して、その上で書いたもの。相変わらず字数の縛りがきつくて、なんだかエラソーな文体になってしまっているのだけど、それはもうやむを得ないということで。

* 物語世界とセクシャリティ──自由の価値と、規制の現状を考える, 2010年9月11日, NPO法人プラットフォーム静岡.
    春のある日、荻野さんから「非実在青少年表現規制関連で、静岡で Aschcroft v. Free Speech Coalition事件の解説講演をしていただけませんか?」と依頼された。日にちをたずねると、9月とのこと。「先の話だよな」とほいほい引き受けた。そして、実際の判例や性表現規制に関する憲法の本なんかを読んで準備をしていた。私の大学院の先輩である三島聡氏の『性表現の刑事規制―アメリカ合衆国における規制の歴史的考察』は、「刑事規制」とタイトルにあったので、一番後回しに読むことになった。が、直前に読み始めたら、これが一番重要な本であることに気づいて大慌て。アメリカにおける性表現規制の展開についてもっとも見通しが良くなる本。そして、法的判断において裁判官たちが、どんな風に考えてきたのかを理解することは、私たちが表現規制について考えるときに無駄な水掛け論を避けるために重要だ。世論(というか圧力団体)に左右される議会と、熟慮でこれを安定させようとする裁判所のバランスが見えてくる
東 浩紀 and 濱野 智史 他, ised 情報社会の倫理と設計 倫理篇 / 設計篇, 河出書房新社, 2010年5月30日.
    おおよそ5年前に、東さんから誘っていただいて私も参加していた、いまから考えると衝撃的に画期的な研究会の全記録がようやく書籍になりました。もちろん、オンラインでも議事録は読めるのですが、なにせ書籍にすると厚さ4cmの本二巻組になるというような膨大なものですので、これをモニター上で読むのは大変です。そこで、関係者の間ではずいぶん長いこと「あれはいい内容の研究会だったから、書籍にしたほうがいいんじゃないか」と言われつづけていたわけです。

    その出版に5年かかった理由については、書籍の「まえがき」とか「あとがき」に述べられているのですが、要するに時代が追いついてなかった、ということのようです。なんだか今年は良いほうにも悪いほうにも状況が変化しそうな予感がしています。そんなときに、このisedが復活してきたことの意味を感じたりします。

「白田秀彰先生、ジャイアントロボのパロディ『世界の腐敗する日』を考案中。」 , twitter, 2010年4月.
    昔からデカくてゴツいロボットとか過剰なアツいオジサンたちの闘いとかに燃える性質で、アニメ版「ジャイアントロボ」なんかは好きだった(が、いまだに全部通してみたことはない)。そこに出てくるかっちょいい敵役の「BF団」という秘密結社がある。それが単純に「BL団」だったら面白いんじゃないか、というちょっとした思い付きが展開した記録。これまた、記録しておかないと忘れてしまいそうなので。まとめてくださった yajirow さん、ありがとうございます。
「またね。」あるいは「白田秀彰先生、Twitterそのものに向かって Tweetし始める。」, twitter, 2010年1月.
    twitter小説というものが少し注目されているようなことを雑誌でみた。そこで、私が生まれて初めて tweet しはじめた直後に、小説っぽいことをしていた記録を残しておいたほうがいいな、と思ったのでここで掲載しておきます。一連の tweet の後の偽論文もかなり気に入っているので、ぜひそこまで読み進めていただけますと嬉しく思います。まとめてくださった norichii さん、ありがとうございます。
2009年師走 ねとすた落選まつり ── 愚民政府論, ロージナ大茶会, 2009年12月19日.
    年に一、二回ほどやることになってる、ロージナ茶会の拡大ミーティング「大茶会」。このエントリを書くために調べてみたら、2005年以降の大茶会の内容が非公開になっていた。そこで毎年やってきた大茶会のテーマを掲げておく。

    2006年春「清く正しく美しく、華麗にそして過激に」戦前右翼テイストで。
    2007年春 「知的資本論」 高度成長期 左翼労働組合テイストで。
    2008年春「違法有害コンテンツ大会」違法有害コンテンツを見ながらその是非を。

    実にスバらしいラインナップであるとつくづくと思う。
    さて、この師走の大茶会は、私が「ねとすたまつり」に呼ばれなかったので、この負け犬感を自虐的に増幅したいと思い、冗談で「ねとすた落選まつり」という企画をぶち上げたところ、なんとなくやることになってしまったもの。場所の確保に苦労し、回線確保に苦労したものの、なんとか開催できた。参加してくださった皆さま、ご覧くださった皆さまありがとうございました。
    当日の講演をザクティで撮ってたのかと思ったら、撮ってなかったらしいので、U-streamの記録のみが当日の講演の記録ということになる。当日の中継では、スクリーンの文字が全く読めない状態だったらしいので、当日もちいたプレゼンと手元資料を公開する。

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白田ゼミのリアル桃太郎電鉄 2009夏 ― 外房のキラメキ, 2009年10月27日.
    夏合宿の時に行われることになった行事「リアル桃太郎電鉄」の記事を公表します。こういう楽しいことをするゼミはもう2008年限りにして、2009年からは地味で落ち着いたアカデミックな憂鬱なゼミにしようと堅く心に誓ったりしておりましたが、残念ながら年中行事として定着することになりました。
* 情報モラル教育とは何のことか──倫理問題再論, 2009年8月19日, 情報処理学会 情報教育部会 Summber Sympodium in Saga 2009.
    6月のある日、東京農工大の辰己さんから、「夏の終わりに虹ノ松原にいかない?」と誘われた。「イカがおいしいところだよな、たぶん」と思ったので行くことにした。
    が、そこにゲストとして参加するためには、講演をしなければならない。そこで「演題はなんですか?」と尋ねたところ、「情報モラル教育についてお願いします」とのこと。はるか以前に情報倫理批判の論文を書いたことつながりのようだ。そこで、そのモラルについて調べたところ、なんともぐったりする一種の欺瞞のようなものがあることに気がついた。ので、仲間内のシンポジウムであることをいいことに、そこをぶっちゃけた講演がこれ。白田節を知ってる人なら「ああ、いつもの感じ」なんだけど、初めての人は大抵面食らう。
[インタビュー] 審判で両者の"実態"が解明される ── 法政大学社会学部 准教授 白田秀彰氏 in JASRAC 排除命令の深層, IT Pro / 日経コンピュータ, 2009年5月15日.
    ある講演会で、CNETの記者としても活躍されてる高瀬さんから、「公正取引委員会が出したJASRACへの排除命令についてなにか考えてることありませんか?」と尋ねられた。その講演会は別のテーマについてのものだったので面食らってはっきりとしたコメントはできなかった。が、そのあと気になっていろいろと考えてた。そしたら、高瀬さんと日経コンピュータの島田さんと面談することになり、かなり長い時間この問題について議論した。そのときの議論の内容を整理したものがこれ。かなり短くまとめているけど、要点は抜けてないと思う。

[コメント] 違法ダウンロード in 教授が斬る, 一橋新聞, 一橋大学 新聞部, 2009年5月13日号, p. 3.
    ある日、母校一橋の新聞部から取材依頼がきた。調べてみたら4年ぶりの依頼だ。こんどは違法ダウンロードが論題らしい。今回も知り合いの先生に「取材をうけてもよろしいでしょうか」と伺いを立てたので問題になることはないでしょう。この新聞の4面には、毎年見に行ってる商東戦で4年ぶりに一橋大学ボート部が勝利した記事が掲載されていた。確かに圧勝だったよね!

* インターネットと著作権 ― 著作権を考える 第4回 in 専門図書館, No. 234, 専門図書館協議会, 2009年3月23日, pp. 40--45.
    ある日、専門図書館協議会という団体から、「インターネットと著作権」というテーマで論文を書きませんか?という打診があった。あまりにも広大なテーマを8000字ほどで書くわけで、私はどうすれば良いのやら途方に暮れたわけだが、幸いにも政府がこういうテーマの研究会報告書を出してくれていた。そこで、その報告書を基礎にしつつ、それを批判的に論ずることで、だいぶ字数を節約することができた ―― そういう論文です。

白田ゼミのリアル桃太郎電鉄 2008夏, 2009年2月2日.
    ページ自体は昨年末に作っていたんだけど、表からリンクするのを忘れていた、夏合宿の時に敢行した「リアル桃太郎電鉄」の記事を公表しておきます。こういう楽しいことをするゼミはもう2008年限りにして、2009年からは地味で落ち着いたアカデミックな憂鬱なゼミにしようと堅く心に誓ったりしております。
2008年の感謝の気持ち, 2008年12月25日.
    昨年 私がひとりで始めて自壊した企画である、「MIAUの大感謝祭」だが、私個人としては継続的に進めていきたいと思っている。私は、実際にモノをつくり、モノを生み出す人々を尊敬している。生きている証として表現する人々を尊敬している。やむにやまれず自分の心情が溢れてしまう人々を尊敬している。だから、私もそうした人々への感謝を表明したい。法律や規則やルールで感謝を強制することはできない。私は自分の意志とやり方で感謝を表明したい。皆が互いを尊敬し感謝しあうとき、私たちは自由になれるのだろうと思う。
* 初音ミクの二つの身体 ── 存在するもの/想像されるもの in ユリイカ増刊号 総特集=初音ミク, 青土社, 2008年12月, pp. 110--113.
    ある日、哲学思想雑誌「ユリイカ」編集部から「初音ミクについて書いてみませんか?」と打診された。ああ、これがネットスター効果というものだろうか。

    何度も繰り返すが、私は初音ミクを生み育てている漢(おとこ)どもの純情と気迫と献身に打たれているのであって、個人的には初音ミクに萌えているわけではない。昨年12月から続く誤解だが、──まあいいか。今でも「PURE GUM」を毎日のように聞いているわけだし。

    そこで、私の初音ミクへの熱い思いをぶつけようと思ったところ、なんと4000字で書けという。無理。ムリムリムリムリ かたつむりです。知的財産からみについて10000字ほど書いた後、ムリヤリ4000字以内に圧縮した結果、無味乾燥な文章になってしまいましたが、密度感はあるはずです。もちろん〆切前に完全原稿にしましたよ! > 編集者のみなさん

    ところが、届いた本誌をみてびっくり、私以外の論者のみなさん、字数がバーンと多いじゃないですか。「ああそうか.... オレってヘンなことばかり言ってるから、割り当てが少なかったのねぇ... 」と切なくなりました。

    そんな私の切ない気持ちを初音ミクに歌っていただきたいような気分になりました。

* 進化の袋小路に入った著作権法。制度の根本に戻り環境に即した改革を in 文藝春秋 編, 日本の論点 2009, 文藝春秋, 2008年11月, pp. 430--434.
    ある日、「日本の論点」編集部の方から寄稿を依頼された。「4000字で現在の著作権制度が直面している問題について語ってほしい」というものだった。また無茶な。いくらなんでも短すぎる。そこで、いったん普通に書いた文章をギリギリまで切り詰めて圧縮したものがこれ。とりあえず論点は示せてるとは思うけど、私の本意を理解してもらうためには、これまで書いてきたものを参照してもらう必要があると思う。

    で、私の記事に続く記事が、児童ポルノ規制問題だった。規制賛成の人と反対の人がそれぞれ掲載されているのをみてなんとなく苦笑い。

[インタビュー] 大学准教授が児童ポルノの所持を宣言! 社会的立場を懸けた行動の真意とは!?, ネトランワイドショー, ネトラン 8月号, 2008年7月9日.
    「単純所持宣言」について、あのネトランから取材がきました。直接会って取材するということだったので引き受けました。記事の内容について懸念していましたが、きちんとまとめられた記事でした。まあ、タイトルは、いかにもネトラン的な煽り文ですけどね。
[インタビュー] 奇妙な法学教師・白田秀彰のテレビ業界への根源的な懐疑!── 新時代・あらゆるコンテンツは「ニコニコ動画」でイジられる! 前編 / 後編, サイゾー 7月号, 2008年6月18日, pp. 117--119.
    ある日、サイゾーから取材依頼が来た。以前お目にかかった小林さんの会社であるインフォバーンが出してる雑誌だ。さらに言えば、山形さんのコラムを毎月たのしみに読んでいたので、喜んで引き受けた。

    最初の依頼では、要するに「動画配信サービス時代における著作権問題について語ってください」ということでしたが、そういう話は、私ではなく普通の著作権法の専門家のところに行くべき質問だと思うわけですよ。そこで、取材にいらした編集の方とライターの方に、著作権制度の本質的な機能とその現代的な意味について、さらにテレビというメディアがネットにどのように侵食されているのかについて、2時間レクチャーしたわけです。その内容を若松さんがまとめてくださったのがこの記事です。サイゾー的にちょっと攻撃的にまとめられているようですし、タイトルもキャッチーすぎると思いますが、おおよその私の発言の趣旨を反映してくださってます。

単純所持宣言 / その他、性規制について, オンライン・コミュニティへの初夏のプレゼント, 2008年5月30日
    下の「違法有害表現に関する覚書」が完全にスルーされているにもかかわらず、追加のコメント。私は携帯電話を使わない人なので、「小中学生から携帯電話を取り上げろ」というかなり頭の悪い作戦について、「まあ、その程度の政府なんだから仕方がないな」と思うだけだ。が、その一方で、「児童の保護」や「青少年の健全育成」を錦の御旗に、「言論表現の自由」や、「事後法の禁止」や、「住居の不可侵」といった、我々の重要な基本権や法原則をないがしろにするような動きが出ていることを懸念している。しかも、その「保護」や「健全育成」の方向性が完全に的外れだと思っているのだ。

    かなりセンセーショナルな内容であることは承知しているので、読者の批判をまつ。

*現実デバッグ Debug the Real, WIRED Vision, 連載終了
    打ち切られた『網言録』の後継連載。さあ、いつまで持つのか予想してみよう! → やっぱり打ち切られました(w 答えは、2008年5月でした。

Debug the Real
* 共和制は可能か? in 東浩紀 and 北田暁大 編, 思想地図 特集・日本, NHK出版, 2008年4月, pp. 379--404.
    昨年末のある日、東さんから『思想地図』っていう新しい雑誌に論文を書いてください」と依頼された。テーマを訊ねたら「共和制について」ということだった。私は情報法とか知的財産権とかについては仕事にしていたけど、政治思想とかそういうものは、そうした研究のかたわら考えていたにすぎない。とはいえ、ネットワーク上での政治の可能性については、いろいろと考えてたりした。たとえば「インターネットの法と慣習」でもそういうことに触れた。で、「この系統の論説を書けばよいのだな」と判断して、キッチリ〆切を守って1月15日に原稿を編集者さんに渡した。
    それから時は流れて4月も半ば、ようやくこの原稿が本になった。「雑誌」だと聞いていたのに、この分厚さ。この分量。論説の密度。もし「一ヶ月で読みきりなさい」といわれたら泣きそうになる。装丁にもちょっとびっくり。発光してるみたいな朱色だった。すげえ。

違法有害表現に関する覚書, オンライン・コミュニティへの春のプレゼント, 2008年3月25日
    青少年の保護を理由として携帯電話フィルタリング問題やら、いわゆる準児童ポルノ違法化問題等、違法有害とされる情報の流通は法律によって規制されるべきだ、という論調が強くなってきた。もちろん、青少年保護はどこの国においても錦の御旗だから、誰も表立って反論しにくいだろう。しかし、そういうときにこそ「よくよく考えようよ」と言うのが学問というものではいだろうか。

    この問題に関する哲学、思想、社会学について、私はちゃんと勉強しているわけではない。しかし、上品でマトモな学者さんが言い難いことを言うのも、奇妙な学者の重要な仕事だと思うので、ここで私の知るかぎりのことを書いて、読者の皆さんのちゃんとした検討の一助になれば、と思う。

    この文書を書くとき、茶会にいる(比較的)オジサンの皆さんからはいろんな支援を頂いた。でも、この問題によって一番影響を受けるだろう学生の諸君からは何の声も挙がってこなかった。若い君たちがこの問題について何も言うつもりがないのなら、私もこの問題について、これ以上関与する理由がないことになる。みんなそれで本当にいいのだろうか?

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武蔵野美術大学 「リーガル・フォーム・デザイン」 2007年度報告, 武蔵野美術大学デザイン情報学科, 2008年1月15日
    昨年に引き続き、市役所の住民票関連証明申請書、印鑑証明申請書、戸籍関連証明申請書のデザインに取り組んでみました。今年度は、小平市役所市民課のみなさんの協力をいただきました。

2007年の感謝の気持ち, 2007年12月25日.
    MIAUが主導した「ダウンロード違法化」に関するパブコメ・キャンペーンが終了したあと、MIAUの活動が休止しそうになった。そこで、私は「反対」という否定的な活動だけではなく、創作者本人へ感謝を物心両面で示す積極的な行動をネットワーク上で推進したいと考えた。こうして、MIAUの皆さんのあまり乗り気でない雰囲気を押し切って、「MIAUの大感謝祭」という企画を開始した。利用者が創作者本人と連携し信頼しあってこそ、MIAUの目的は達成されうると考えたからだ

    しかし、結果的には大失敗。もちろん、ネタに走った私の方針が誤っていたことは間違いないだろう。MIAU内部でもこれといった協力は得られなかった。やっぱり我々は、何かに対する「批判」や「反対」でしか、まとまれないのかもしれないなぁ、となんだか哀しく思った。

    また、「私に感謝したい、という方のために」を掲げておく。

[インタビュー] 法政大学 准教授 白田秀彰氏インタビュー,「法は単なる調整手段,技術者は自由に進め」, Tech-On!, 2007年12月14日.
    ある日、日経エレクトロニクスの山田さんと竹居さんから、「技術者向けの雑誌で著作権について語ってもらえませんか」という依頼がきた。

    理系指向がありながら脱落した私には、理科系に対する根本的な愛と尊敬がある。漫画『ヘルシング』に出てくる少佐による「諸君! 私は」という有名なあの演説の「戦争」を全部「理科系」に置き換えてもいいくらい好きだ。

    だいたい理系研究者やエンジニアを幸福にしないで、なにが「技術立国」「知的財産立国」だと言いたい。理系研究者やエンジニアの収入を無条件に文科系平均の二倍にするとか、企業の取締役には理科系学部の博士号が必須であるとか、そういう世界になればいいなぁ、と思う。もちろん、いまのところ思うだけだが。

    そういうわけで、私は入念な仕込みをして、日ごろ理科系研究者やエンジニアに伝えたいと思っていた「思い」を熱く!4時間近くにわたって語った。さらに、「この記事を可能であればオンラインで全文公開していただきたい」とお願いしたところ、日経エレクトロニクスは快諾してくれた! それがこれだ! 読んでくれ! ...ただ、タイトルはすこし過剰な感じがするけどね。

    日経エレクトロニクスの山田さんが、とても良い記事を書いていたので紹介します。
    著作権絡みの議論がなぜ腑に落ちないかをPerfumeとニコニコ動画から考えてみる, 2007年11月15日.
    著作権の議論がなぜ腑に落ちないかを今度は白田先生の話から考えてみる, 2007年12月17日.

[インタビュー] 「隠す権利」から「広める制度」へ 変化が求められる著作権のあり方, ASCII.jp, 2007年12月12日.
    12月6日に早稲田大学で、コンテンツ業界における開明的な賢君として知られる角川歴彦氏が知的財産制度の将来について講演するらしい、という話が聞こえてきた。ので、出かけていった。日本経済新聞のインタビュー記事など見る限りでは、現在のメディア状況をよく理解してらっしゃると判断していたので、興味深々だった。
    ....けど、角川公... それちょっと違いますよ... あの... 閲覧権はなんかズレてませんか... いや、超流通ってのは... あのー、レッシグ先生の主張って逆なんですけど... とだんだん残念感が。
    がんがれ! だれか角川公の付近にいるちゃんとした側近 超がんがれ!
[取材・出演] 林 沙弥香, SNOOP, 白田 秀彰, コピーの品格, fm fukuoka (FM福岡), 2007年11月25日.
    ある日、FM福岡の浅原さんから、メールがきた。MIAUの設立と知的財産権にかんしてFM番組に出演してほしい、ということだった。おお、福岡遠征か!と思ったが、よくよく打ち合わせてみると録音による出演だった。がっかり。

    しかし! その録音のために、浅原さんがわざわざ東京までおいでになるとおっしゃる。その漢気に応えないわけにはいかない! そこで自宅で二本録りということになったのだが、その収録時間5時間! 一度45分くらい話したあと、よりよくまとまった話にするためもう一度リテイク! トラブルでさらにリテイク! なるべくいい録音にしようという 浅原氏と私の執念が生み出した根性の番組。 そうした長大なインタビューを浅原さんがまとめてくださったのがこれ。

    Creative Commons Licenseで公開されたので、ある方がニコニコ動画にうpしてくれました。ありがとう! だけど長すぎだよ....

NICO NICO Video
MIAU設立の経緯と、MIAUが目指すこと, MIAUの眼光紙背 第1回, livedoor News, 2007年11月5日.
    あんまりここでは書きたくないが、私はMIAUという組織の発起人をやった。で、これからたぶん幹事になる。ちょうどそのころ、『ライブドアに物申す!』に寄稿した縁で、livedoor Newsから新連載の依頼があった。でも毎週記事を書くのは辛い。もうWIRED Visionでの新連載が確定していたから。そこで、「MIAUのメンバーが持ち回りで記事を書くのはいかがでしょう?」と提案したらOKがでた。大谷さんありがとう! この記事はその一回目。当然私が執筆した。原稿料は、私をスルーしてMIAUの会計に送られます。この原稿の原稿料が いまのところ唯一のMIAUの収入ということになります。

「権利を強化しても誰も幸福にならない──インターネット時代の著作権のあり方」/ 岐路に立つネット時代の知財戦略, 「論座」 2007年12月号, 2007年11月1日, pp. 92--99.
    8月の半ばころ、朝日新聞社の「論座」の編集者の方から、インターネット時代の著作権のあり方についての論文を書いてほしい、と依頼された。私が、「私の持論を書くと、新聞社や出版社の皆さんが不愉快になるような内容になりますよ」と予めお伝えしたところ「まったく構いません、むしろ挑戦的な内容であるほうが望ましいです」との決然としたお返事を頂いた。むしろ保守的な立場にあるだろう朝日新聞社にも、漢気があると見直した。

    特集でご一緒させて頂いている論者は、山形浩生氏 「創作活動の民主化と著作権」、永江朗氏「グーグル・ブック検索は脅威か新たな可能性か」というもので、いずれもわかりやすく刺激的な内容ですので、ぜひ皆さんもご覧くださいませ。

*網言録, WIRED Vision, 連載終了
    たった20回ほどで打ち切りとなってしまった、私の連載。私たちの身近な諸物と、私たちの行動や思考との相互関係についての随筆を、私の気の向くままに長期連載するつもりだったのだけど、あまりにもWIREDの雰囲気とは合わなさすぎたらしい。

Net Essay Log
著書紹介 技術、法、そして娯楽産業の未来 William W. Fisher III, Promises to Keep: Technology, Law and The Future of Entertainment, 「アメリカ法」 2006-1, 2007年9月20日
    日米法学会の邦語機関紙「アメリカ法」に著書紹介が載りました。依頼があったのは、おととしのたしか9月ですから、もう二年前です。それから、この号の発行には幾多の困難や事件がありまして、ようやくめでたく発行となったのでした。いまや紙の書籍を発行することは、ほんとうに大変で贅沢なことになったのだなぁ、と思います。自分の記事を読み返してみて、「ああ、懐かしいなぁ」という気分になりました。でも、Fisher先生のこの本の内容は、今でもとても刺激的ですよ。オススメの一冊です。

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* オンライン社会における著作権のあり方 ── 私論 知的財産(著作権)戦略要綱, 2007年8月30日 第21回セミナー(東洋大学), 情報通信政策フォーラム.
    私が漢(おとこ)の中の漢と尊敬申し上げている池田信夫先生を筆頭に、私がお世話になった先生方が設立し、活発に活動している「情報通信政策フォーラム」。ある日、山田先生から「次世代の著作権制度のあり方について語ってほしい」という依頼メールが届いた。ちょうどこの一週間前のThink-Cでのシンポで、魂の師と仰ぐ中山信弘先生が力強く欧米追随を批判されていたので、ますます意気高く自分がアホ・バカ扱いされることも省みず改革論を述べてきました。正直、会場は呆気にとられていた風がありましたが、「そんなの関係ねえ!」
* オンラインにおける秩序の生成と法の継受, 2007年7月21日 シンポジウム 仮想世界の法と経済, ブロードバンド推進協議会.
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* ネット空間における法の発見と創造へ向けて ── 法学補完計画, 2007年7月20日 バーチャル新世界研究会, 日経デジタルコア.
* 仮想世界の法のあり方探る・日経デジタルコアで議論, 2007年7月24日 日経IT+.
    2007年7月20日と21日に連続したオンライン社会の秩序と法に関する講演。秋葉原UDXでの講演では、遠いところから話を始めて核心に迫っていくという構成だったため、どうも会場が話に「くたびれた」様子が伝わってきた。私の悪い癖だ。そこで、翌日の東京大学工学部での講演では、話の前提となる部分と、繰り返して確認する部分をばっさりカットしたバージョンに作り直して、話の進行をスパッと早めようとしたのだけど、こちらでもやはり話が遠回りっぽくなった。
    本当は、私が大学でやってる「情報法」の講義を受けてもらってから、このように講演したり議論したりしたほうが、議論の前提が整理されて良いのだけど、そうもいきませんしねぇ。

    そうそう。21日はロージナ茶会員も話を聞きにくるということになっていたので、茶会タイ茶会腕章を着用して講演してみました。聞いてくださってる皆さんがきっと洒落のわかる人たちだと思いましたので。マジメさんたちの多い会場では怖くてできません。

インターネットから自由が消える ── 法学者 白田秀彰氏インタビュー, INSIDE BUSINESS, 2007年7月13日.
    セカンドライフというものが流行っているらしい。ものすごくマシンパワーを食うので、私のローパワーマシンでは体験することすらできない。でも流行っているらしい。しかも、それは金儲けになるらしい。そこでビジネス関係の人たちがものすごく期待しているらしい。

    そうした仮想空間でのビジネスが なんだか根拠無く盛り上がりつつある中で、「法律どうするんだよ!」 というような雰囲気が出てきたらしい。とはいえ、ゲーム内の法や秩序について研究するような酔狂な法学者はいない。でも、アメリカあたりにはそれなりにいる。でもアメリカ人を連れてくるとタイヘンなので、「かなり奇妙な法学者」である私なら何かソレラシイことを話せるだろう、ということで講演を2本立て続けに依頼された。試験期ではあるが、採点評価期の前で時間が取れるので引き受けた。

    驚くべきことに講演を引き受けたあと、かなり有名な雑誌から原稿依頼が4本来た。試験前の忙しい時期に、そんなに記事を書いている暇など無いので原稿は断った。でも、講演主催者からの依頼で「インタビューだけは受けてほしい」ということだったので引き受けた。それが、これです。

* コミケ、2ちゃんねる、はてなセリフと作家と著作権, 2007年6月15日 公開トークイベント vol.3, 著作権保護期間延長問題を考えるフォーラム.
    仕込みなしで臨んだトークイベント。私が切った啖呵がなぜだかえらくウケてしまった。
新省設立建白草案, オンライン・コミュニティへの春のプレゼント その一, 2007年2月11日
    情報通信省というようなものが出来そうだとか無理そうだとか話が聞こえてくる。そこで、私がこういう省庁があると「うれしいな」と思うものをイメージしてみた。民撰議院設立建白のような雰囲気で作ってみました。いかがでしょうか。
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ほんとうの創作者利益について, オンライン・コミュニティへの冬のプレゼント その二, 2007年1月16日
    著作権保護期間の延長を考える国民会議のシンポの記録を読んでいて、創作者の皆さんのご家族、ご遺族への心配が良くわかったので、保護期間の延長よりも もっと創作者本人の保護になるための施策について考えてみました。私は、音楽にしても絵画にしても文学にしても芸術が大好きで、創作者を尊敬しています。創作者本人の利益を守るためなら、私は協力を惜しみません。
    [2007/1/23追記] 津田大介さんにHTML化していただきました。ありがとう!
    [2008/4/19追記] 誰かが朗読してくれてニコ動にアップしてくれました。ありがとう!

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Nico-Nico Douga
Winny事件判決の問題点 開発者が負う「責任」とは, IT media, 2006年12月17日.
    下のWinny事件京都地裁判決が出る一月ほど前に、ユカタンから寄稿依頼をいただいていたので、京都新聞のコメントを書いたすぐ後にすぐに取り掛かってすぐに脱稿した記事。この事件は、まだまだ終わらない。次の高裁では、金子氏も検察も論点を変えてくる可能性があるんじゃないかと思っている。

ソフト開発への萎縮懸念 in 「結局何が悪いのか」ウィニー開発者有罪, 京都新聞, 2006年12月14日 朝刊.
    Winny事件判決前日に、京都新聞の記者の松浦様からメールでコメント依頼がありました。通常、新聞や雑誌のコメント依頼というのは何の前触れもなく、突然「コメントください。今すぐください。都合の良いコメントください。気に入らないコメントは載せません。」と依頼してくるのであまり好みません。しかし、松浦様は、丁寧にメールで依頼くださり、さらに前日には電話で事件の背景や記事の狙いについて打ち合わせさせていただくなど、とても丁寧な対応で好感をもちました。

ほんとうの知的財産戦略について, オンライン・コミュニティへの冬のプレゼント, 2006年12月8日
    はじめのうち、著作権保護期間の延長を考える国民会議へ参加できなかったので、言いたいことを公にしておくために書いた論説。その後、めでたく国民会議へは参加させて頂きまして、この論説の存在意義は低下したわけですが、わりと評判が良いようなので、そのまま公開しておくことにしました。最初、htmlに切り替えるつもりでしたが面倒くさいので、そのままpdfで公開することにしました。読みにくい方がいらしたらごめんなさい。
    [2007/1/23追記] 津田大介さんにHTML化していただきました。ありがとう!
    [2008/4/19追記] 誰かが朗読してくれてニコ動にアップしてくれました。ありがとう!

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Nico-Nico Douga
小倉秀夫 白田秀彰,「YouTube人気動画リンク集」は合法か, IT media, 2006年10月27日.
    ある日、ユカタンからYouTubeへのリンクの合法性についての記事の取材をうけた。で、手堅い小倉先生の見解をうけて、私の意見を... ということだったのだが、法律の解釈論でいくと小倉先生の言うとおり。ま、あたりまえだが。で、今後の展望を... ということで精一杯頑張ってみましたが、なんともはや。下の『YouTubeってどうよ?』という記事とあわせて読んでもらえるとありがたいです。

かなり奇妙な法学教師・白田秀彰氏インタビュー: 「匿名」と「実名」の問題を考える, ソフトバンク ビジネス+IT, 2006年10月3日.
かなり奇妙な法学教師・白田秀彰氏インタビュー: YouTubeってどうよ?, ソフトバンク ビジネス+IT, 2006年10月10日.
かなり奇妙な法学教師・白田秀彰氏インタビュー: 様式としての「2ちゃんねる」!?, ソフトバンク ビジネス+IT, 2006年10月17日.
    ある日、『法と慣習』の編集者の上林さんから、横田さんとの師弟対談しませんか」と依頼を受けた。もちろん望むところ! というわけで、確か8月の終わりか9月の初めくらいに国立のロージナで対談した。当然のことながら、長時間にわたる対談のあいだ脱線の繰り返しで、記事となっている部分はほんの一部。記事にできなかった(危険)発言が多数という状態だった。というわけで、インタビューとはいいながら、実際にはほとんど捏造に近い(笑)。

    そのあと、横田君はずいぶん苦労して、録音テープから記事原稿をまとめてくれてたみたいだ。結果的にはYouTubeに関する私のコメントはもはや古くなってしまったかもしれないが、まあそこは仕方ないということで。

竹熊健太郎 白田秀彰, 談話室たけくま──日本の著作権は「鹿鳴館」である, 日経ビジネス NBonline, EXPRESS X, 2006年9月7日.
──, 談話室たけくま──著作権で既得権益の保護、大いに結構, 日経ビジネス NBonline, EXPRESS X, 2006年9月11日.
──, 談話室たけくま──著作権を主張せずに稼ぐ方法, 日経ビジネス NBonline, EXPRESS X, 2006年9月13日.
    ある日、『法と慣習』の編集者の上林さんから、「竹熊健太郎さんと対談しませんか」と依頼を受けた。編集者同士の横のつながりで依頼がまわってきたらしい。そこで、「あっ! 大学生のとき読んでたスピリッツに連載してたさるまんの人だ!」と鋭く反応し、「さるまん」繋がりで、ふと「コージ苑」(注: もちろん、相原コージ氏著。この本に竹熊さんは直接関与していない)をもってたことを思い出した。母さん、私の「コージ苑」はどこに行ったのでしょう?

    そういう私よりもはるかに高いところにいた竹熊さんとこうして対談できるヨロコビを感じつつ、池袋でお目にかかりました。竹熊さんと会うのだから仕込みが大事だと思いまして、「よし、今回のテーマは小津安二郎だ!」と勝手に決定し、和室でモロボシ・ダンとメトロン星人の対話のようなアングルで写ろうと思ったのですが、部屋が狭すぎてそういうアングルでの写真は撮れませんでした。そこだけ、残念。

* 商と賊 in 有賀 賢 編, ライブドアに物申す──44人の意見, トランスワールド・ジャパン, 2006年9月, pp99--107.
    ある日、『法と慣習』の編集者の上林さんから、「ライブドア事件について記事を書いてみませんか」 と依頼を受けた。編集者同士の横のつながりで依頼がまわってきたらしい。そこでゴルゴ13の雰囲気たっぷりに「...で... 条件は?...」「......」と訊ねたら、「何でもいいらしいです。長さも自由だし、テーマも自由らしいです」とのことなので、「...スイス銀行の口座に振り込んでおいてくれ....」「......」と引き受けて、たっぷり〆切までの時間をとってもらった割には3日ほどで書き上げてしまいました。でも、ライブドアの企画でなんで私が出てきたのか....不思議といえば不思議です。

武蔵野美術大学 「リーガル・フォーム・デザイン」 2006年度報告, 武蔵野美術大学デザイン情報学科, 2006年9月1日
    武蔵野美術大学デザイン情報学科で担当することになった、リーガル・フォーム・デザインという課目。デザイン的観点を行政文書に持ち込もうという、たぶん法学者は、誰もやったことないヘンテコな講義だと思う。こういうヘンテコなことをすることに私の存在意義があるということで取り組みました。さすが美大生。誰もやったことのない講義にちゃんとついてきてくれて、立派な成果が出ました。そこで、講義のプロセスと成果を公開することで、法学分野に対してデザインができること、しなければならないことを示したいと思います。

* インターネット化と著作権法の行方、そして図書館, 2006年8月18日 札幌国際大学 図書館, 第49回北海道地区大学図書館研究集会 .
    ある蒸し暑い日、札幌国際大学図書館から「図書館員のみなさん向けに講演をお願いしたい」という依頼がきた。「なんで私なんだろう?」 と思いまして「どういうテーマをご希望ですか?」と尋ねたら「法と慣習関係でなにか...」という感じ。酷暑の頃であろう時期に札幌にいくのはとても爽やかそうでいいなぁ、と思いまして引き受けました。
    ところが... 当日九州あたりを台風が直撃、その影響で何故だか札幌あたりがやたらと蒸し暑いという異常気象に... 雨の中スープカレー屋を探し汗だくになり、スープカレーを食べて汗だくになり、ついでに北海道大学を抜けて札幌駅にいくのにズブ濡れになるという悲惨な旅になりました。台風のバカヤロー!
    講演は、以前『FREE ANNOTATION』でちょっと言及した、民主政治と図書館の役割に関する話をネットの傾向と結び付けて、『「網論」との共生関係構築へ』と対を成すように構成したつもりの内容になりました。でも、図書館関係者ならみんな知っている話だったりして...
ご冗談でしょう、牧野先生 ---『2ちゃんねるで学ぶ著作権』へのコメント, オンライン・コミュニティへの夏のプレゼント, 2006年8月7日
    毎年恒例の夏休みのお仕事。例年は夏のおわりに公開するのだけど、『2ちゃんねるで学ぶ著作権』が良く売れているらしいので、今回の記事は緊急執筆および緊急公開。誤解がネット界に広まったら大変だからね。もちろん、このコメントが、同書のさらなる売り上げに貢献することを祈念しております。

*インターネットの法と慣習 --- かなり奇妙な法学入門, ソフトバンク・クリエイティヴ, 2006年7月
    人気連載『インターネットの法と慣習』がまとまって新書になりました。私の二番目の単行本になります。売り物なので全文公開はできませんが、もととなった連載の内容は記事一覧から読むことができます。でも新書版には、訂正・加筆やらオマケがありますので、そちらに興味ある方はぜひお買い求めください。

    批判罵倒歓迎しますが、批判するなら本をちゃんと読んだ上でお願いします。

*インターネットの法と慣習 (Hotwired 連載版)
    新書版「インターネットの法と慣習」を買うのもバカらしいというあなたのために。ここなら全文をタダで読めます。

モナー=フォークロア論について, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2005年12月13日
    下の日経アソシエでのコメントを発展させて、より詳細に論じようとしたもの。というか、依頼を受けて書き始めたら、こんなのができてしまいました。ところが長すぎて紙媒体の空間に収まらなくなったので、ネットに流れていきました。どうも私は、好き勝手に書かないと書けない人になってしまったようです。
[瞬間的コメント] 3分でわかる大人ニュース --- 「のまネコ問題」って何よ, 日経ビジネス アソシエ 2005年11月1日号, p. 61.日経BP, 2005年10月
    ある日、日経BP社から取材依頼がきた。国立で面会したら、取材者は一橋大学のOGだった。のまネコ問題についても議論したけど、議論の中心点は、「イモツバシ」と呼ばれていた一橋大生をどうやってステキにするか、という話題に移っていた。もちろん、近年の一橋大学は、学生における女子比率が50%に近づき、男子にイケメンが見受けられるという未知領域に突入しているわけだが、古典的一橋大生にもぜひ幸せな人生を送っていただきたい。というか、OGの話では、一橋大生は社会に出ると無敵にモテるらしいぞ。...ただし社会的ステータスで結婚相手として...。
『ハッカー宣言』の誤解説, オンライン・コミュニティへの夏のプレゼント, 2005年9月29日
    毎年恒例の夏休みのお仕事。『表現の自由 vs 知的財産権』もやりたかったけど時間が無かったので、この『ハッカー宣言』だけになってしまった。実はもう二本ほど書いているものがあるんだけど、なかなかまとまらない。これから涼しくなるから、きっときっと仕事がはかどるようになるんだと信じてます...

* 知的財産権 / プライバシーの危険, 2005年9月24日 東京大学先端科学技術研究センター ジャーナリストコース「リスク社会と報道」連続セミナー, 六本木ヒルズ49F.
    ある春の日に、突然 東京大学の武田先生という方から、「ジャーナリスト向けのセミナーの講師をしてください」 とお願いされました。場所は六本木ヒルズ。「おお、あのいろんな意味で話題のあのビルか...」ということでホイホイ引き受けました。で、私の出番がまわってくるまで春が過ぎ、夏が訪れ、そして秋に... なろうとしたところで台風17号が来やがった。せっかくの49階からの眺めもボンヤリとした霧の中。セミナー自体は、相変わらずの暴論ブチまけまくりでしたが、「暴論とはおもえなかった」という評価をいただけて本当にうれしく思います。
[コメント]急務なのは「創造者」としての「優秀なハッカー」の育成だ! in 「ハッキング天国」ニッポンの寒すぎる現状, 週間 SPA! 2005年6月7日, pp. 20--23,
    ある日突然、「週間 SPA!」のライターさんから「ハッカーについて書いてください」という依頼がきた。記事には山根信二さんも関わってるみたいで、しっかりした記事になるだろうと思われた。それで、これまで書いたハッカーネタをごくごく短く整理してまとめなおしたのがこれ。記事のイラストとか見る限り、やっぱりハッカーを「悪っぽい人」のイメージで捕らえてるみたい。自頼独立、不羈不屈で時代をわたる人々として捉えるのは難しいのかもね。学生が書いたレポートに「海賊」について書いたものがあった。読んでみたら「海賊のエトス」にハッカー倫理に近いものを感じた。すこし調査してみたい。海賊というと聞こえは悪いが、私立海軍だったと見ることもできるわけですよ。
* 情報のモラルと情報の法, 2005年5月26日 秋田県総合教育センター.
    ある日、秋田県総合教育センターの扇柳さんから、「情報倫理と情報教育について何か講演してください」 という依頼を受けた。「ええっ! 秋田県? 中央線から遠い...」と思ったけど、秋田新幹線もできたらしいし、鉄道でいけそうだったので引き受けることにしました。新幹線は思ったよりも良かったですよ。緑豊かな車窓の風景を楽しめました。でも...やっぱり遠いね。帰りは飛行機で帰りました。機窓から、ぽつりぽつりと散らばった遠い町や村を眺めたら、田植えに備えて水を張った田圃が 暮れていく空を鏡のように映して、まるで、町や村が水と空に浮かんでいるように見えました。
* 脱コンテンツ宣言, 2005年5月19日 メディア開発綜研(メディアビジネス研究会), 弘済会館.
    ある日、某研究会を通じて知り合った菊地さんから、「このあいだの研究会でブッぱなした話をもういちどお願いできませんか」と依頼された。前回は政府のエラい人たち相手だったが、こんどは、メディアのエラい人たち相手ということらしい。場所は四ツ谷だということで「中央線でいけるよ!」というわけで、ホイホイと引き受けました。ヲタ爆発の講演でしたが、マズマズの評価をいただけたように思っております。時代は「コンテンツ支配→コンテクスト支配」ですよ!
[コメント] 個人情報保護法 応用編 in 教授が斬る, 一橋新聞, 一橋大学 新聞部, 2005年5月17日号, p. 5.
    またまた ある日、母校一橋の新聞部から取材依頼がきた。こんどは個人情報保護関連らしい。前回、一橋新聞に記事がでたことで某所やら某所からキツいお叱りを受けたこともあり、今回は慎重に、某所やら某所に「また取材依頼がきたんですけど、受けてもいいでしょうか。頓首頓首」と書いたら、「まあ、いいでしょう」という許可らしいものをいただけたので、引き受けることにしました。「新聞部の連中も、君ばかり取材して、他にネタ元は無いのかね...」というようなことを言われましたが、まあ、都合のよい「専門家」であることは間違いないでしょうね。取材も簡単に済むし。
2005年春 旅立ち ── コンテンツ政策についての茶会私案, ロージナ大茶会, 2005年3月18日.
    年に二回ほどやることになってる、ロージナ茶会の拡大ミーティング「大茶会」。今年は、卒業してしまう学生さんが多かったので、サブタイトルを「2005年春 旅立ち」としました。大茶会では、霞ヶ関での某研究会でブッちゃけた話を、より過激に報告し、より過激に討論しました。身内しかいないので言いたい放題です。で、その結果をまとめたものが、「茶会私案」です。長いこと内部文書としていたのですが、政府のエラい人たちに読ませても別に怒られたりしなかったみたいなので、公開することにしました。
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情報社会の倫理と設計 / 倫理研第2回議事録, ised@glocom, 2005年1月8日開催 3月12日公開
    東 浩紀さんから「参加してみない?」と誘われた研究会。内輪の私的なものだとばかり思っていたし、東さんも最初はそのつもりだったらしいんだけど、なんだかいつの間にか規模が大きくなってしまって途惑った。引き受けた当初は、六本木で二月に一回楽しく宴会ができるならいいか、と思っていたくらい気楽な話だったから。

    それでもって東京大学で開かれた第1回目の話がムズかしくて、「うわぁ、困ったな」 と思っていたら、第2回目の講演はなんと私。ネタが出なくてウンウン唸った末、チャーリーさんの講演内容を受けて私の考えたことをまとめてみました。そんな感じで、覚悟を決めてデカイ話をブチかましたら、なんだかOKということになったみたい。

    ちょうど第2回の議事録公開の日に第3回の講演があったんだけど、講演者 北田先生の話がまたムズかしい。社会学者というのは、法学者とはまったく日本語の使い方が違うんだなぁ、とつくづく思いました。

知的所有について in 岩波 応用倫理学講義, 第3巻 情報, pp. 85--105, 岩波書店, 2005年3月8日
    ある日突然、といっても2年前の2003年春ころのこと。京都大学の水谷先生から、「ねえねえ、こんどまとめる本に寄稿してくれない?」とメールが届いた。「テーマは何ですか?」たずねたら、「知的財産権がらみ」ということだったので、「簡単かなぁ」とおもって引き受けた。そしたらこれがその年のえらいドツボに。

    5月くらいから締め切り数ヶ月過ぎの12月すぎまで図書館に通い、ホントーにウンウン唸り、それでも書けず、編集の人に「締め切り守れないから、もう勘弁して」と泣きを入れたほど。

    で、「もう論文ではなく随筆でいいですか?」 と開き直って原稿をアゲてしまいました。脚注も参考文献もなーんにも書いてない「オレオレ論文」

    それから年月は流れ、ようやく2005年3月刊行。だれが原稿止めてたのかなぁ(笑)。

* 個人情報とプライバシーII --新しい法益--, 2005年3月5日 東京農工大学 小金井キャンパス, 東京農工大学総合情報メディアセンター 第1回 セミナー 「インターネット時代の情報セキュリティと個人情報保護」
    ある日、東京農工大学の辰己さんから、「セキュリティと個人情報に関して講演しませんか?」と依頼がきた。日取りを聞いたら2005年の3月ということだったので、そのころならすでに原稿執筆が終わってる予定だったから、「はいはい、やりますやります」 と引き受けた。

    ところがぜんぜん原稿が進まず、マズいことになった。さらに、公演内容がキチンと整理されていない段階で「講演の表題を教えてください」という連絡が来て、「うーん、個人情報保護法で新たに設定された権利について検討するかぁ」と思って表題を先に決めた。

    しかーし! 個人情報保護法からなにか具体的な利益が個人に与えられたとはとてもいえないことが判明。個人情報保護法からの論理的帰結として、「抽象的プライバシーの利益」というものがあるんじゃないかなぁ、あるかもねぇ、という話に。スジとしては悪くない話になったのではないかと...

[ちょっとだけ出演] 真紀奈と小倉弁護士のインターネットの気になる法律相談所, Internet Magazine 2005年2月号, pp. 132--135, Impress, 2005年1月
    Internet Magazineがリニューアルということで、真紀奈ちゃんが担当していた連載が終わってしまうことに。で、「最終回なんでお願いしますよ」と依頼されて、真紀奈ちゃんと小倉弁護士の連載にちょっとだけ出演しました。座談会の場所は新宿某所。実際の対談は3時間にわたって、裏話なども交えながら行われたわけですが、それをまとめた真紀奈ちゃんはとっても優秀な人だと思いました。
「網論」との共生関係構築へ --- 公論形成に向けたマスメディアの役割, 新聞研究, 日本新聞協会, 2005年1月号, pp.19--22.
    2004年6月の情報メディア学会での講演内容を受けて、さる方から「新聞研究という雑誌に講演内容を掲載しない?」と依頼がきました。「講演内容のまるっきり焼きなおしでいいんですか?」と訊ねたら「OK」ということだったのでお引き受けしました。とはいえ、もともと字数制限がキツかった情報メディア学会の原稿をさらに削ったので、どんどん文体がキツいかんじに。
知的財産権とネット・コミュニティ, 波状言論, 東浩紀個人事務所, 2004年10月15日
    東さんとは、いろんなところでお目にかかってました。で、ある日、「波状言論で対談しませんか?」と依頼されたので、「おっけー♪」と個人事務所まで出かけていきました。そこに「真紀奈17歳」がいるじゃないですか! すげえよ。おまけに東さんの個人事務所には、ムズカシイ哲学書から、SFだのエロ同人誌だの美少女ゲーだのが置いてあって「う...格が違う」と思わせられました。対談は、九州ネタを含みつつ(参加者三人が九州関係)脱線に次ぐ脱線。しかも長時間。おまけに祭りの日と重なったため、事務所の外では お囃子は聞こえるわ、神輿はでてくるわ、なんだかスゴいことになってしまいました。

    あれだけ脱線して「テキトー」に話していたのをテープ起こしした東さんのところのスタッフはスゴくえらいと思う。よくまとまったものです。あと、対談の時に東さんが山のような参考資料をちゃんと読んでらして、しかも付箋紙がついていたのに感動。頭の良い人は努力の人でもあるのを確認しました。

* 個人情報とプライバシー --歴史と原理--, 2004年10月8日 九州大学 春日キャンパス 筑紫ホール, 九州大学システムLSI研究センター 第2回 ワークショップ「情報の効果的利用と個人情報保護 -- ID情報の管理と保護 --」
    ある日、PIDというシステムに関する記事がMLにまわってきた。で、興味があったので福岡に出かけたついでに開発したみなさんに面談したら、技術者の立場からの社会的領域へのアプローチをしている面白い人たちだということがわかった。「社会に受け入れてもらわないと、技術には意味がない」というのはまことにもっともな考え方だと思う。

    で、意気投合して「技術者の人たちにも社会や制度についての興味をもっているひとがいるんですねぇ」「ちょうどGLOCOMでも、文科系の人間が技術の社会的応用について考える研究会をやろうとしてるんですよ」なんて話してたら、「講演しませんか」と依頼された。で、引き受けたのがこれ。

「消費の二極化現象」は何を意味しているのか。, Store Journal, 研修出版, 2004年10月号, pp.92--95.
    ある日突然、研修出版の太田さんから「流通関係の専門雑誌に寄稿してください」と依頼された。「あの...私は法律とか社会とかについて考えてるので、流通関係についてはドシロウトなんですけど...」 とお返事した。ところが どうやら私が書いて、一時期 Googleで「不況」関連記事のトップを占めていた「文化不況」という記事をご覧になっての依頼だとわかった。焼き直し記事でもいいですか?→いいです ということだったので、引き受けしました。この「文化不況」という記事は、どこぞの流通業の研修に使われたり、どこぞの美容関連業界の研修に使われたり、三菱総研のレポートで引用されたり、と思いのほかできが良いみたい。
FREE ANNOTATION --- いかに私がレッシグの議論をつかって日本の世論をコントロールするか , オンライン・コミュニティへの夏のプレゼント, 2004年8月22日
    7月の末に贈っていただいた『Free Culture』。高原の避暑地に持っていったので、集中できて三日で読むことができました。内容的にも前作に比較して軽かったし。「こりゃ、解説を作らなくてもいいかな」と思ったのですが、まあ前回、『勝手につける...』もやったことだし、これは「様式美」としてやらねばならぬと思って着手しました... が、いろいろとあって一週間くらいかかってしまった。おまけに本文を読んでもらうと書いてあるけど、しなくていいアホな努力をしていたし。

    夏休みの終わりまで一週間。私の今年の夏の自由研究みたいなものとして公開します。皆さんのお役に立てれば幸いです。

[ほんのちょっとコメント] ウィニーを汚したのは誰か in ウィニーは本当に悪なのか, アスキー・ドットPC, アスキー, 2004年9月号, pp. 54--59
    若手の会でお世話になってる石橋さんから、またまたウィニーについての取材依頼がきた。「え゛ー、またか」と思いましたが、石橋さんはいい人なので、引き受けることにしました。で、「写真を撮りたい」とおっしゃいます。これまで何回も「写真をお願いします」といわれたことがあるのですが、取材者のデジカメ・スナップだと、とてつもなく悪い人に写ってしまう危険が高いことを知っていたので、一般誌への写真の掲載はお断りしてました。が、「どうしても」と頼まれるので、「プロカメラマンが撮るならOK」と無茶を言ったら、通りました。すごいよアスキー。ほんとに女性カメラマンがいらしたし。

    一通り取材が終わったあと、なぜだか自宅で石橋さんと加藤さんと宴会になりました。取材も含めて我が家での滞在時間はおそらく4時間ほど。なのにコメントはほんのちょっと。でもまあ、楽しかったから良かった。

[コメント] 2ちゃんねるは言葉遊び /ネットメディアはブログへ in 教授が斬る, 一橋新聞, 一橋大学 新聞部, 2004年7月15日号, p. 3
    またある日、母校一橋の新聞部から取材依頼がきた。後輩たちなんで、「まあ、とりあえず自宅においでよ。」 と取材を受けたら、取材内容は、2ちゃんねるネタだった。記者もたぶん2ちゃんねらー。お互い「オマエモナー」という薄ら笑いでの取材だった。話した内容が(・∀・)イイ!のは、ロージナ茶会の皆様のおかげで、綺麗にまとまってるのは記者の優秀さのおかげ。あれだけ脱線した話を的確にまとめた記者さんは偉いぞ。あと、写真も(・∀・)イイ! ここ10年で一番写りがよいかも。カメラマンさんも偉いぞ。あと、この新聞にはもう一つ茶会メンバーに関する記事が掲載されてた。国立ローカルでいい感じ。
著作権法は、文化を発展させるためのルール in 中学生のための著作権入門, Z Club 3年生用 7月号, pp. 11--13, 増進会出版社, 2004年7月10日
    ある日突然、あの名門受験指導の「Z会」から取材依頼がきた。私はZ会には入ってなかったけど、受験戦争華やかりし頃のZ会のトンガった印象は強烈だった。で、担当の方たちと待ち合わせして いろいろと話を聞いてみると、いま、Z会もずいぶん柔らかいイメージになって、なおかつ、大学受験だけでなく、高校・中学・小学校までカバーしているらしい。で、Z会の会報である「Z Club」の特集に私の著作権法の解説記事が載ることになったわけです。私が掲載された回だけでなく、毎号中学生のレベルとしてはそうとう高度な特集記事が載ってるみたいです。もしかすると、大学生よりも中学生の方が頭が良かったりして...
[コメント] 日本の著作権のあり方を考える絶好の機会 in 賛否両論で波紋広がる「Winny事件」の核心, Internet Magazine 2004年8月号, pp. 68--75, 2004年6月27日
    RFIDタグの問題に関する講演会を聞くために東京タワーのふもとに出かけたのは何年前だったっけ? そこで佐々木さんにお目にかかりました。で、ある日、佐々木さんから連絡がありまして、「Winny事件についてのコメントを...」と頼まれたわけです。「え゛ー、またか」と思いましたが、佐々木さんはいい人だということがわかっていたので、引き受けました。

    1時間半ほど話した内容を佐々木さんは1000字ほどにまとめてくださいました。でも、「細かなニュアンスが違うよなぁ」と思いまして、論旨はそのまま、表現に気をつけて書き直したところ2000字になりました(圧縮前のオリジナル版は7月30日頃公開予定)。ところが編集部から「なんとか1000字に詰めて、お願い!」とお願いされて、ムリヤリ圧縮しました。で、やっぱりニュアンスは失われ、今からすると過激で突き放したような記述になってしまいました。ちゃんちゃん。

* 公論を支える媒体およびその担い手について, 2004年6月26日 東京大学山上会館, 情報メディア学会 第3回研究大会
    4月頃のある日、矢野さんから、「シンポのパネラーにならない?」と依頼がきました。私は、文章を書くときには比較的正しい日本語が使えるのですが、口で話すとその育ちの悪さがにじみ出るところがあるので、「いやあ、学会のような場で人前で話すのはちょっと...」と断ろうとしたのです。が、「まあ、こういうのも練習だから」と説得されて、引き受けることにしました。

    これといったポカもなく、数日前に茶会の皆さんから教えてもらった「ぱど厨」のことについても言及できたので、成功だったと思います。

[コメント] Winnyはいわば産業革命。その一端を担っている自覚を! in 今さら人に聞けない「Winny問題」, 週間 SPA! 2004年6月22日, pp. 20--24,
    ある日突然、「週間 SPA!」のライターさんから取材依頼がきた。SPA!は大学院生時代によくコンビニで立ち読みしていた。だいたい25歳くらいの若手サラリーマン向けの一般情報誌、という認識だったので引き受けた。編集部の人もライターの人もとっても真面目で一心に話を聞いてくれたので、「ああ、一般誌の人も知的財産権問題とかに関心を持ってくれるようになったんだなぁ」 と思っておりました。

    で、さすが週刊誌。金曜日に取材されて、火曜日にはもう発売となったわけですが、送られてきた掲載誌をみてビックリ。おいおい、いつからこんなに露出度の高いおネェちゃんの写真やら、キャバクラネタやらを掲載する雑誌になったんですか? いや、いいんですよ。私も好きですから。やっぱりエロがないと雑誌が売れないのもわかるんです。でも、これじゃ田舎の父親に掲載誌を送るのがはばかられる...

コンサイス法律学用語辞典, 三省堂, (項目執筆), 2003年12月
    コンパクトにまとまった総合的な法律学用語辞典の項目の一部を執筆しました。これ、かなり使い勝手が良さそうですよ。お勧めできます。

    この辞典の項目を書くように依頼されたのはおそらく2年前くらい。先行する辞典類や文献を一応あたって、できる限りオリジナリティが出るように工夫した原稿を提出した。でも、限られた紙面にたくさんの項目を載せようとしてるので、「原稿を削ってください」との依頼がたびたび来る。で、削っていくと解説がどんどん骨格だけに近づいていく。すると先行する辞典類の項目との違いがほとんどなくなっていく... なんとも切ない作業でしたねぇ。ようやく完成してなにかホッとしました。

* 情報時代の法について, 2003年9月25日 如水会, 如水経済懇談会にて報告
    ある日、母校のOB会である如水会の事務局から「ランチを食べながらの懇談会で発表しませんか」というお誘いがきた。それは名誉なことだから「ぜひやらせてください!」ということで引き受けました。細かな話よりは大きな話のほうがいろいろと議論のたたき台になるだろうと思って、表題のような でーっかいテーマを設定したわけですが、これが裏目に。

    まず、この回の参加者がえらく少なくなって事務局に心配をかけてしまったみたい。あと、参加者が最高齢で80歳台とか、ほとんどの方が私が生まれる以前に卒業された方とか、そういう構成で、話のブッとび具合に唖然とされた方がいたのではないかと反省しきり。公演内容自体は、私が一年間の講義でやってる内容のエッセンスを一時間にしたもので、そこに、オフレコでしか言えないようなブッとんだ見解を加えたもの。

    「いや、実に面白く興味深い内容だったよ」とおっしゃってくれた大先輩たちに、恐縮至極でした。

「自由のライセンス」の正しい理解 / 第3回 in Internet Magazine 2003年11月号, Impress, 2003年9月27日
    自由のライセンスに関する記事の三回目。これまたものすごく日程的に辛かった。某出版社からの原稿依頼に関連したネタの仕込みをしつつ、この記事を書き、さらにすぐ上に掲げた講演会の準備をし、加えてHotWiredの原稿締め切りに追われていたから。夏休みだからどうにかなる、と多寡をくくっていたのが間違いだった....

    これまた予定字数を大幅に超過した原稿となりまして、元の原稿を編集の安田さんがアレンジしてくれて、なんとか6ページに収めることができたわけです。元の原稿の2/3ほどに圧縮されてしまってます。ほんとは、GFDLとCC以外のライセンスについてもキチンと検討を加えていたんです。

「自由のライセンス」の正しい理解 / 第2回 in Internet Magazine 2003年9月号, Impress, 2003年7月27日
    自由のライセンスに関する記事の二回目。大学の繁忙期である試験期前に〆切がやってくるという日程だったので、ものすっごく大変でした。
    私は、字数を気にせずどんどこ原稿を書いて、後から削って内容を整えていくというスタイルで執筆します。今回の原稿は、内容が内容だけにどんどん長くなって、実際に雑誌に掲載されたのは、元の原稿の3/5ほど。おまけに、ライセンスの一覧表なんか、途中で「できるか!こんなもん!」 と投げ出したほどです。だいたい、スッキリ一覧表になるくらいなら、ライセンスの本文なんて要りません。
    ようやくホッとしたのもつかの間、第三回目がやってくる...

「自由のライセンス」の正しい理解 / 第1回 in Internet Magazine 2003年8月号, Impress, 2003年6月28日
    ほんとは、こんなに記事書きを集中させるつもりは無かったんです。でも、いつのまにか書くことが決まっていて、さりげなく〆切りが来たりして、真っ白なページで出すわけにはいかなかったりして、書きました。というか、まだ続きます。ほんとは一回の予定だったんですけど、一回に収まらなかったんです。でも、二回目はまだ書いていません(2003/6/30 現在)。週間アスキーの物欲番長ことスタパ斎藤さんのイラストで有名な金子ナンペイさんが私のイラストを書いてくださいました。タレ目で、なんだかナヨッとしています。実物もそのとおりなのかもしれません。

[編集協力]:仲俣 暁生 編 未来を考えるための補助線としてのコモンズ in 本とコンピュータ 2003年春号, トランスアート, 2003年3月10日
    またある日、「HotWired Japanの記事を見たんですけど」ということで、「青空文庫」とも縁の深い、「本とコンピュータ」からコモンズ関連での執筆依頼が来ました。ところが、「コモンズ」ネタで書くべきことは、すでに書いてしまっていたわけで、さらにまた何か書くと自分で自分の二番煎じをやることになる。それではまるで私が贋レッシグみたいで気持ちが悪いので、お断りさせていただきました。が、特集記事に関してチェックを入れたり、簡単なコラムを執筆したりさせていただくことになりました。それがこれです。メディアもコンテンツもいいけど、それでわれわれが何を生み出して何を伝えるのかという「文化」の問題についてもちゃんと考えてみましょうよ。

著作物の「自由」な流通を作る新しい政府の出現か? in Internet Magazine 2003年4月号, Impress, 2003年2月28日
    HotWired Japanの記事を見たんですけど」ということで、こんどはインプレスから出ているInternet Magazineの編集の方から記事の依頼がきた。いったんメジャーなメディアに露出すると、いろんなところから依頼というものは来るんだなぁ、と思う。「勝手につける...」で私はタダ働きをしたわけだけど、その経費はこうして少しずつ十分に回収できているような気がする。

    雑誌本体の発行と同時に、私の記事を含む Creative Commons 関連の記事がCCライセンスのもとに公開されてる。こりゃ、なんと太っ腹なことよ!!

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レッシグ教授の「コモンズ」を読む --- 日本社会に投げかける問題, HotWired Japan, Bit Literacy Column, 2003年1月20日
    ある日、HotWired Japan から『コモンズ』に関連した原稿の依頼がきた。そのとき、なぜ私が選ばれたのかを考えてみた。私がネット上で書いてきたものを見て私を選んだなら、私がレッシグ教授の尻馬に乗って「それ見たことか、著作権の拡大はよろしくないのだ、P2Pは大事な次世代技術なのだ」などと書くことを期待していたのかもしれない。確かに、現在の知的財産権制度はそうとうに歪んでいると思う。しかし、ここでそれをいちいちあげつらうつもりはない。問題の根は深いのだから...

    あと、すっごく短い「エルドレッド事件」へのコメントも書きました。

勝手につける『コモンズ』への解説 --- あるいは露骨な我田引水, オンライン・コミュニティへのお年玉, 2003年1月1日
    11月の末に贈っていただいた『コモンズ』。一ヶ月かかってようやく読み終えました。「こりゃ、大学生が理解するのはマズ無理だね」と思ったので、私ができる範囲で解説文をつけてみようと思い立ちまして、3日くらいでなんとかでっち上げたものがこれ。その後、「謝辞」にでてるように他の方からのコメントいただきまして、2003年1月1日に公開しようと思ったわけです。でも、実際には2002年の12月31日に公開したんですけど...

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ネット・ベンチャーにおける法的コスト, 一橋論叢, 128巻4号, 2002年10月
    ある初夏の午後、「商学部の特集号に、e-コマースについての法律学的な視点からの論文を書きなさい」という依頼がきました。「商法についてド素人の私になんで?」「e-コマースについてもほとんど知らないのに...(泣)」と思いました。私が「情報法」なんて講義をしてて、さらに自分のWebページなんか構えていたためでしょうか。しかし、断れない人からの依頼だったので「これって、学部学生さん向けの啓蒙的な内容でいいんですよね?」「ほんとに、ほんとにいいんですよね?」と念を押しながら引き受けました。その結果がこれです。

情報時代における言論・表現の自由, 青空文庫, 2002年10月13日
    2001年には「情報法」の冒頭がゴチャゴチャしていたので、「グリゴリの捕縛」を書きました。で、2002年には「情報法」の前期の後半がゴチャゴチャしていたので、これを執筆。イマイチまとまりのなかった講義を聴いてくれた学生さんに捧げます。某巨大匿名掲示板の是非をめぐって議論が起こったり、裁判になったりするなかで「言論・表現の自由」が取り上げられるんですけど、基本的な理屈とか理由付けを知らないまま語っている人が多いのも、このテーマを選んだ理由です。

    毎年思うのですが、毎年、毎年同じことを話すのって苦痛ですよね。学生さんたちは初めて聴く話でしょうけど、こっちは基本的に同じ話を繰り返しているのです。で、恐ろしいことに以前やっていたことをだんだん忘れていくんですよ。私の記憶力って「トコロテン」みたいなもんなんですな。で、講義の基本的な部分は、こうして文章にしていって講義の時に「読め!」とか言って済ませてしまって、先の議論に進みたいと思ってたりします。

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著作権関連 8項目, 北川 高嗣 他編, 情報学事典, 弘文堂, 2002年6月
    事典の項目執筆。限られた字数に内容を盛り込むのは、あまり好きな作業ではありません。これは、もう何年も前に依頼されて執筆し、そのまま忘れていたころに出版されたもの。項目書いたら一冊くらいもらえるかな?と思っていたら、さすがに18000円もする本はくれないみたい。著者割引の案内だけが送られてきました。

文化不況, 某総合研究所にて2001年10月頃発表, 2002年3月26日公開
    また、以前に書いたものの年度末棚卸し。HDDの片隅から発見しました。某総合研究所の「地域おこし」を手がけるセクションの方に依頼されて、2001年10月ころにごくごく内輪で発表した論文を公開します。現在の消費不況と地域商店街の衰退を情報流通という視点から分析した(つもり)のもの。内輪の会向けなので、参考文献および論証なし。私の個人的体験のみに基づいてます。

サイバー空間の世界観, 朝日新聞夕刊 「ねっとアゴラ」, 2002年3月22日
    朝日新聞夕刊のコラム欄「ねっとアゴラ」に私の短い論説が載りました。この記事は1月初旬に依頼されたもので、執筆は数日で終えていました。しかしながら、最初のバージョンが2000字と長かったことと、「文章が硬い」という問題があり、依頼主である矢野氏との間で何度も文章の練り直しをやりました。そればかりが理由ではないのですが、結果的に3月末まで掛かったわけです。最初のバージョンと掲載されたバージョンは、問題意識では共通していますが内容的には随分違ったものになっています。最初のバージョンは「パラレル・ワールドで語る倫理」として小論集においてあります。

判決文翻訳 Sony Computer Entertainment America. Inc. v. Connectix Corp., 2000 U.S.App. LEXIS 1744., 2002年2月
    [注意!!] この判決文翻訳(だと思われるもの)は、2002年2月末日に私がハードディスクを整理していたときに発見したものです。なにかの研究会の資料として用いるために準備したまま、忘れてしまっていたようです。 したがいまして、翻訳の品質については保証の限りではありません。また引用して用いる事も避けてください。 とはいえ、せっかく書いたものですし、学生さんの参考程度にはなるかと思いまして、公開する事にしました。

* 「包括メディア産業法」への私案, in 21世紀型情報化社会への展望, 国際大学Glocom, 2002年3月
    「情報法」の通信・放送関連制度についてテキストを改訂するため、通信・放送メディアの展開について文献を読んでました。で、郵便(運輸)、鉄道、出版、通信、放送が歴史的・法的にみて同じボトルネックをもっているという事実に気がつきました。通常、そのボトルネックというのは通行地役権(right of way)なんですけど、情報通信分野において、ある条件下では著作権(copyright)も同じ機能を果たすことにも気がつきました。そのあたりについて解説して、どうすれば円滑な情報流通環境が整備できるかを考えてみました。林 紘一郎先生の「包括メディア産業法の構想」も読んでみてください。
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* 私家版・プロバイダ責任法についての解説と考察, オンライン・コミュニティへのお年玉, 2002年1月
    報道によると、2002年4月から施行されるらしい「プロバイダ責任法」に関する私家版逐条解説。商用プロバイダ管理者だけじゃなくて、電子掲示板を運営しているような個人なんかも広く関わる法律です。2. 逐条解説部分は、かなり細かい法律論をやってるので、3. 解釈上の要点だけでも見てほしいです。なお、わかりやすくて気楽に読める「対話形式バージョン」AprilFoolさんが作ってくださいました。力作です。感謝感謝。
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* 山根 信二辰己 丈夫、白田 秀彰 ネットビジネス業者によるプライバシー保護対策を評価する枠組の検討, 2001年6月, マルチメディア、分散、協調とモバイル (DICOMO 2001) シンポジウム 論文集 (報告者 山根 信二)
    3月に発表されたネットビジネス業者の「プライバシー保護対策」評価の提案に続いて、より具体的にセキュリティ格付け機関の形態などについて議論するモノグラフ。

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* グリゴリの捕縛 あるいは 情報時代の憲法について, 青空文庫, 2001年9月 Expand book版 2001年11月 PDF Download
* 辰己 丈夫山根 信二、白田 秀彰 ネットビジネス業者の「プライバシー保護対策」評価の提案, 2001年3月 情報処理学会 第62回全国大会にて報告 (報告者 山根 信二)
    財団法人電気通信普及財団による平成11年度研究調査助成での成果。プライバシー漏洩は完全には防げないということと、プライバシーがいったん漏れた場合には、もはや回収が不可能であることを前提に、個人情報を取り扱う業者に、漏れた場合の補償を行わせることで、プライバシー保護対策を充実させることを狙う。プライバシー保護対策についての格付け機関と保険を導入することを提案。

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* 告知
* 告知
* レイアウト・フォーマット --- 知恵蔵事件, in 別冊ジュリスト 著作権判例百選, 有斐閣, 2001年4月
    法学部の学生なら必ずお世話になる有斐閣の「判例百選シリーズ」。私がここに執筆することになるとは、学部時代には夢にも思いませんでした。担当した事件は、デザイン系の美大の学生さんにも馴染みの深い、レイアウト・フォーマットに関するもの。

* The Origin of Two American Copyright Theories: A Case of the Reception of English Law, The Journal of Arts Management, Law and Society, Vol. 30, No. 3, (Fall 2000, Heldref Publications)
    英語論文がアメリカの専門雑誌に掲載されました。やったー。掲載のきっかけは、インターネットでの公開。編集の Maryとのやり取りもインターネットのおかげでとっても助かりました。

* デジタル/ネットワーク時代・著作権の臨界 (改題), 2000年11月30日 国際大学グローコム デジタル著作権研究会 第1回オープン・フォーラムにて報告
    情報伝達技術とビジネスの形態、著作権制度の関連について歴史的に解説し、デジタル化、ネットワーク化していく情報伝達技術においてどのようなビジネスモデルが最適であるのか、また著作権制度はどのように変わっていくのかを展望したもの。

    これまた、詳細な文献リストや脚注をつける作業ができないので、公開できません。大学をしばらく休んで自分の書いたものの整理をしたいです。

* 情報法の背景, 2000年5月12日 一橋大学 法文化構造論にて報告
    情報機器の一般化に伴って生じている法的問題を表面的に追いかける結果になりがちな「情報法」を批判し、基礎法学・比較法学としての「情報法」の問題設定と目的について考察したもの。2001年度の「情報法」の導入編として使いまわす予定です。

* 著作権の情報流通技術決定論 仮説, 2000年3月18日 国際日本文化研究センターにて報告
    1840年頃に産業規制法としての著作権概念が文化振興法へと転換したことを指摘する発表。文献による論証が不十分なのでまだ公表できません。今年度後半には完成度を上げて雑誌に投稿したいとおもっております。

    [愚痴] どうも、この論文はお蔵入りになりそうです。一つ一つ、文献の該当個所を挙げるような地道な作業に費やす時間が取れないため、内容的には問題なくても公開できないのか悩みです。

    ↑と書きましたが、せっかくやった仕事ですし、学生さんの何らかの参考になるかと思いまして、「脚注ほとんどなし」状態で公開することにしました。もちろん、まともな論文ではありませんから、学術論文への引用はお避け下さい。 むしろ大学院あたりの学生さんが、この論文の内容を引き継いで検証してくれることを希望します。(2002年3月14日)

* 倫理問題, in bit別冊「情報セキュリティ」, 共立出版, 2000年1月
    また、倫理。私に倫理について語る資格があるとは自分でも思えませんが、書かなければならないこともあるのでもう一度。なんでも「倫理」でことを済ませようとする人たちが多すぎます。

    この「倫理問題」の原稿は、下の「コンピュータ・ネットワークにおける自由と倫理」で用いた論文に加筆したものです。重要な部分について加筆したので、ご批判は書籍に掲載されたものに対して行ってください。明大情報科学センター紀要には、私の口述内容が掲載されておりまして、論文は掲載されませんでした。

* もう一つのプライバシーの話 --- 中学生、高校生のためのプライバシー問題へのヒント ---, 青空文庫, 1999年9月
    夏の終わりにある研究会に出席しました。そこではプライバシー問題や情報教育の内容に関するざっくばらんな議論が行われました。その議論をするなかで私が考えたことを文章にまとめてみました。通説を問い直す「もう一つの」シリーズ第二弾です。
    富田さんにお願いして、こんなに立派な本にしていただきました。
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* 求人・求職活動における個人情報保護に関する報告, in インターネット求人・求職情報の現状とその課題, 社団法人 全国求人情報誌協会, 1999年3月
    一昨年から参加していたインターネットにおける求人・求職活動に関する研究会の最終報告書です。結局、中間報告書は部内扱いになり、これが正式バージョンということになりました。

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誰をどのように護るのか --- CDAの目的と効果について, 1999年1月30日, 情報処理学会 電子化知的財産社会基盤研究会にて報告. 情処研報, Vol.99, No.11.
    ある秋の午後、私に「CDA-2」について報告するように、という依頼が来ました。私が最初の「CDA」に言及する論文を書いたことがあったからのようです。だいたいCDA関係の法律は、冬の声が聞こえる頃 成立し、12月前には違憲立法確認訴訟が提起され、年明けの1月か2月には違憲判決がでる、というパターンで進むので、このCDAがらみの論文はいつも正月をまたいで執筆することになります。私にとっては紅白や第九と近い位置づけになりつつあるので、もう「CDA-3」だの「CDA-4」だのというような法律を作らないように、アメリカ議会にお願いしたいところです。

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コンピュータ・ネットワークにおける自由と倫理, 1998年11月21日, 明治大学情報科学センター情報教育研究会にて報告.
    ある夏の日、私に「情報倫理」について話すように、という依頼が来ました。「倫理学者でも哲学者でも、まして倫理について人に話すほどエラくない私になんで?」「だいたい、情報倫理ってなんだ?」と思いましたが、私が「ハッカー倫理」なんて題した論文を書いたことがあったからみたいです。さて、それから「倫理」や「哲学史」の本を色々と読みながらにわか勉強です。結果的には、そのおかげで「面白い」(と皆さんがおっしゃる)講演になったようです。

    明日から、私自身が倫理的にならないといけないような気になるので、倫理の研究はあんまりうれしくないですね:-)。

判例解説 Cubby, Inc. v. CompuServe Inc., 776 F.Supp. 135 (1991), 「アメリカ法」 1998-1, 1998年7月31日
    日米法学会の邦語機関紙「アメリカ法」に判例解説が載りました。依頼があったのは、去年のたしか9月ですから、もう一年前です。依頼時に紹介する判例も指定されたのですが、その時点でCubby事件は、すでにあちこちで紹介されてしまっていた判例でした。事務局に問い合わせてみたら「理事会の決定ですから」ということで、そのまま書く事になりました。脚注(1)に掲げられている先行研究の焼き直しになっていることは否定できません。

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* もう一つの著作権の話 --- 中学生、高校生のための著作権の基礎理論 ---, 青空文庫,1998年7月
    青空文庫には、私の論文がいくつか収録されています。呼びかけ人の一人である富田さんの依頼で「著作権の原理と現代著作権理論」を収録することになったのですが、これは、講演原稿なので必ずしも読みやすい内容ではありませんでした。また、青空文庫の掲示板「みずたまり」には、「著作権の原理」を読んだ中学生の方から、「難しい」という書き込みがされていました。そこで、もう少し整理して、わかりやすく書いた「基礎理論」の本を書くことを約束していたのです。私の最初の単行本が出版された記念に、私は「中学生、高校生向けの基礎理論」の本をエキスパンドブック形式で電子出版することにしました。
    ボイジャーの野口さんのおかげで、こんなに立派な本になりました。
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* コピーライトの史的展開 [知的財産研究叢書2],信山社,1998年7月
    博士論文の内容が本になりました。私の最初の単行本になります。売り物なので全文公開はできませんが、前半の内容は「コピーライトの史的展開」として、学内雑誌に掲載したものを加筆訂正したものです。だから、こちらをご覧になって、買うに価するものかどうかご判断ください。また全体の要旨は、こちらでご覧になれます。また「はしがき」部分のPDFファイルを準備しました。

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* アメリカ著作権理論の起源 -- アメリカにおけるイギリス法継受の一事例 --, 報告用 手許資料, 比較法研究 No. 60 (1999) 128. 1998年6月6日 比較法学会第61回総会 英米法部会.
    京都の同志社大学で行われた比較法学会で発表してきました。内容は博士論文のなかでも「比較法」的観点から面白いと思われた、18世紀末イギリス理論がアメリカに伝播する様子を概説するもの。時間どおりに発表を終えたし、質問にもきちんと答えられたので発表としてはうまくいきました。

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* 求人・求職活動における個人情報保護に関する報告, in インターネット求人・求職情報の現状とその課題 (中間報告書), 社団法人 全国求人情報誌協会, 1998年3月
    じつは昨年からインターネットにおける求人・求職活動に関する研究会に参加していたのです。これはその中間報告書に収録されたもの。就職活動の厳しさはこれから増すばかり。皆様も私も。はぁ...。

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* 著作権の原理と現代著作権理論, 1998年1月31日 比較法史学会関東部会、2月2日 国際大学Glocom にて報告
    いろいろとあって、似たような内容で「研究報告などしなさい」と言われたので、今の自分の思うところをぶちまけた報告。

    [関連文献] 上記の私の論文に関連する論文の紹介。経済産業省の村上敬亮さんがとってもナイスな論文 「オープンソースを巡る著作権論議と知的財産政策への示唆」(特技懇 232号)を書いてくれました。もし、私がしかるべき立場にあればこう書いただろうな、と思わせるほど私の意見とぴったり。とくに前半。(2004/5)

* 英米法系コピーライトに関する歴史的研究, 1997年5月
    表題と目次と要旨だけ公開の私の博士論文。5年間を費したバカ長大論文の結末は原稿用紙約1300枚!! 1998年1月7日についに口述試験をやりまして、どうにか博士号を取得することができました。

要旨
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* 情報テクノロジーの進展と法的課題 in 堀部政男・編著, 情報公開・プライバシーの比較法, 日本評論社, 1996年12月
    情報公開とプライバシーに関心があり、おまけにお金持ちな貴方のために。

* アメリカにおけるインターネットへの司法権力の介入: IAJ News, Internet Association of Japan, Vol.3 No.1, 1996年4月
    エッチがダメになった背景にはどんな事情があるのか知りたい貴方のために。

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* 比喩・概念・法 ---仮想空間を切り分けるもの(1)---: Smart Community, Smart Community 研究会, 1995年11月
    「サイバースペース」とか「スーパーハイウェイ」とかいう言い方の違いのなかになんか意味があるの?という貴方のために。

*アスペン・サミット オンライン ---ネットワーク時代の政府と共同体の役割---: Smart Community, Smart Community 研究会, 1995年10月
    アメリカのネットワーク関係団体ってどんなことをしているの?という貴方のために。

*ハッカー倫理と情報公開・プライバシー:「高度情報化の法体系と社会制度」 科学研究費補助金・重点領域研究報告書, 1995年3月
    ハッカーは犯罪者であると思っている貴方のために。
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*ネットワーク上の名誉毀損と管理者の責任: レポート, 1994年4月

    オンラインで罵倒されたことがある貴方のために。

    [注意!!]このレポートで言及している「ニフティサーブ名誉毀損事件」に関する最初の判決が出たために、にわかにこのレポートへの関心が復活しているようですが、次の点にご注意。

  • このレポートは訴えが提起された1994年当時に書かれたものであること。
  • このレポートは大学院ゼミの論題として書かれたもので、アメリカの名誉毀損に関する法理を機械的に適用してみた「思考実験」であること。
  • 訴訟での被告であるWAKEI氏による批判記事がNIFTY-Serve FSHISO MES4 #3079からのコメントリンク のうち #3102 に掲載されています (2000年9月4日確認)。私の立場は、同コメントリンク #3108 のAnonymous.P 氏の推測するとおりです。

*コピーライトの史的展開
    著作権ってなんだか胡散臭いなと感じている貴方のために。1996年12月をもってイギリス編が完結しました。めでたし。

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*法令用語と判例における「情報」: 「情報の瑕疵がもたらす民事上の責任に関する調査研究」 財団法人 比較法研究センター, 1993年6月

    情報、情報っていうけど、法律の世界ではどんなふうに把握しているの?という疑問を持つ貴方のために。


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* 個人的キャンペーン *

個人的キャンペーンがあまりに多くなってしまった(^^;;ので別ページに移動しました。

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* リンク *

*私のゼミにいた横田君のサイト。P2P技術をとりまくさまざまな事象を追跡しています。彼は文章力もあり、とても粘り強く一心に仕事をするたいへん立派な人。もっと評価されてよい人の一人。

Double Slash

*昔のWebサイトの内容を取り戻したい時に便利! 1997-8年くらいまで溯れます。

WayBack Machine

* 日本の情報法関連のリソースが最も豊富に集められているサイトといえば、明治大学の夏井高人先生のページが代表的なものでしょう。継続的な更新作業に頭が下がります。

* 著作権法に基づく保護期間が満了した作家の作品を、ボランティアの人々が思い思いに入力して電子的なテキストを作り、ネットワークで公開するという活動が始まっています。青空文庫です。優れた文化遺産をネットワーク上に展開するこの活動は、新時代の文芸復興を促すものと期待しています。

Aozora logo

そうそう、似たような活動といえば、 Project Gutenbergを忘れてはいけません。こちらもどうぞ。

* とっても悪筆で、枠の中に小さな字で何事か書きこむことがたまらなく苦痛なLaTeX使いの貴方に朗報!!フリーのプログラマ 山口志義夫さんが 履歴書そのまんまを印字してくれるスタイル を作って下さった。就職活動で大量の履歴書を作成しなきゃならない貴方に必携!! ただし、"gzip"と"tar"がなんだかわからない人には使えない。

* 大変立派なオンライン法令集を作ってらっしゃる福山平成大学の 吉崎暢洋さん。貴方のブックマークにもぜひとも登録して下さい。

* ハッカーについて誠実に取り組んでいる岩手県立大学の 山根信二さん。彼の「ハッカーに関するリンク集」には、上記の私の論文でも使った文献がリンクされていてとっても便利。

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Appendix
タイトルページを短くするために、「付録」を別ページに移動しました。参考資料や、私の雑文、秀丸のマクロなどがあります。

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Counter 白田 秀彰 (Shirata Hideaki)
法政大学 社会学部 助教授
(Assistant Professor of Hosei Univ. Faculty of Social Sciences)
法政大学 多摩キャンパス 社会学部棟 917号室 (内線 2450)
e-mail: shirata1992@mercury.ne.jp