Tiny Power-Amplifier & Speakers: Musabee
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夏の避暑に持っていくために作成した小型アンプと小型スピーカーのコンポ「ムサビー」。 そのころオーディオサークルFaradayでも「小さいアンプと小さいスピーカーを作ろう」という企画が出ていたので、それに応じるつもりもありました。心臓部はFaradayでよく使われているカーステレオ用ICのPhilips TDA1552Q。回路図はこのページの下に掲げておきます。電源まわりを除くとコンデンサ2個だけで完成するお手軽アンプです。電源はThinkPad 535用のものを流用します。センター側が+の3.5ΦDCプラグがついていれば、9-18Vまで対応可能です。 スピーカーは、SONYの超小型スピーカーの故有り品から取り外した3.8cm フルレンジユニットを無印良品の鉛筆立てに収めたもの。一応バスレフになっておりまして、130Hzあたりをブーストしていることになっているはずです。
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TDA1552Qを使ったアンプについては、Faradayでは田中さんが権威です。田中さんのTDA1552Qアンプは、同じICを使っている市販・自作アンプのなかでも、もっとも完成された音を出してました。彼のアンプと音質やコンストラクションで張り合っても仕方がないので、私ならではのコダワリとして、とにかく小さく組んでみました。内部の様子は下の写真で。私の組んだこのアンプの音は、ほどほどに緩めの音です。人格の反映か。
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内部構造 基盤の大きさが確か 3cm × 4cm くらい。TDA1552Qが放熱面をケースに接して基盤の裏側に設置されています。 入力側のコンデンサは、スピーカー用のフィルムコンSOLEN。私のアンプの師匠芦澤さんからフィルムコンの良し悪しの「めやす」のようなものを伺ったことがあります。それが「細長い円筒形で堅く巻かれたもの」というもの。電気的物理的にちゃんと理由があるらしいです。サイデリアルあるいはASCがこの条件を満たすらしいのですが、それらは高価なのと大型であることから、値段の手ごろなSOLENにしてみました。 ボリュームとスピーカー端子とフィルムコンの大きさから考えてこのケースのサイズにしました。コンデンサを電解コンデンサに置き換えれば、もっともっと小さく組むことができるとおもいます。
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スピーカーユニットについてはSONYあたりの記事を見てもらうことにして、ケースについて説明しましょう。無印良品の鉛筆立てとして売られているもので、U字型のアルミ板の両側に1cm厚のベニヤが固定されているものです。版画用の化粧ベニヤ板を買ってきて蓋をしたものをエンロージャにします。穴あけは電動ドリルに取り付ける2枚刃の自在錐というものを使います。1枚刃のものでは振動が大きくなりすぎてうまくないらしいです。私のつかった自在錐では、直径12cmの穴あけまで対応してました。私のような根性のない自作派なら大抵の状況に対応できるはずです。 この自在錐はほんとにすごい。きれいな穴を簡単にあけられました。バスレフの穴はドリルであけます。バスレフポートは、東急ハンズで手に入る木管を使いました。吸音材は葡萄の箱にクッションとして入っていた薄いスポンジ。
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もとより低音がでるスピーカーの大きさではありませんが、なかなか聞かせてくれます。ボリュームを上げると低音もそこそこに出てきて、ベースラインを追うことも可能です。実際に旅行に持っていきました。上の写真はそのときのようす。
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